個人情報を抱える全てのバックエンドエンジニアに捧げる
今日も情報漏洩のニュースが世間を騒がしている
一昨日はあのサイトで何万人、今日はこっちのサイトで数百万人、今年に入って何千万人
巷では「専門家」が「IT会社の経営者」が「IT評論家」が「ITメディアの編集者」が
ありとあらゆる「識者」が様々な意見を申し述べている
ありとあらゆるメディアが喚き立て、集計し、分析し、警告する
だが、そいつらの言葉の中身は、何一つあんたを楽にさせてはくれない
あいつらはただの火事場の見物人だ
それらの中に「こうすれば(より)よい」という情報は何一つない
HTMLのソースに残っていた痕跡を根拠に
メンテナンスの終わったミドルウェアが原因だと断定し嘲笑する
IT系インフルエンサーが「全て説明します」なんていうタイトルの動画を公開して
それが多くの人に受け入れられる
(ところで、インフルエンサーなんてものがいるとすれば、
そいつはお前の奴隷根性が生み出した幻影だ)
何度も何度も見直した
やれることはできることは全てやったはずだ
これでダメならいったいどうすりゃいいっていうんだ
提案段階でそれなりに意見は言った
「こんな細かい情報まで取る必要あるんですか?」
しかし役員と懇意のコンサルが「これだけの情報を取得しないと分析ができない」と言い
あんたの意見は無視された
「このくらいのバックエンド構成と、プログラムの作り直しが必要です、さらに脆弱性診断も」
しかし経営陣が、担当役員が、担当者が「今期は予算が厳しくてね」と言い
あんたの意見は無視された
仕方ない仕方ない
あんたに出来た唯一の抵抗は
せいぜいログを長期間取得し保存し
コッソリ蓄積しておくことくらい
それでもひとたび情報漏洩が発生すれば、数ヶ月は眠ることもできない
生きているのが嫌になるほどの怒号、叱責、罵倒、さらには人格攻撃があんたを待っている
これまで仲が良かったクライアントの担当者は目を合わせてもくれない(あるいは打ち合わせに出てこない)
24時間いつ携帯が鳴るかもわからない
朝・昼・夜と日に3回の定例会議
夜の定例会議の後で「明日の朝の定例会議での報告」を命じられる(つまり寝る時間などない)
それを想像するだけで頭がおかしくなりそうだ
今夜もあんたがゆっくり眠れるといいな
もちろん、石の下なんかじゃなくて
あたたかいベッドの上で